「洗骨」~風水が残る沖縄~
2019年 03月 14日
コミカルあり、涙あり。
生と死、命、魂の繋がり、色々なことを考えさせられました。
洗骨(沖縄ではシンクチと読む)とは、沖縄の一部の地域に
残るとされるもので、風葬(遺体を風雨にさらして白骨化させる葬礼)
した死体の遺骨を数年後に取り出し、綺麗に洗い流してから、
再度埋葬するという風習です。
一般的な風葬は、明治時代まで行われていたようです。
画像:映画「洗骨」より
数年経った遺体が白骨化していれば、親族の手によって洗骨後、
骨壺に納められ、死者は一族の守り神になります。
これらは主に、海岸近くの一部地域でその名残が見られるようです。
※現在の沖縄では、火葬が主流。
↓お時間の許す方は、ぜひご覧ください。
鹿児島県与論島 NHK九州沖縄スペシャル ~与論島の洗骨儀礼~
中国大陸・台湾など、道教思想の影響が強く残る土地の
陰宅地理(お墓の風水)において、骨をどこに埋めるのか、
死者をどのように弔うのかは、大変重要視されてきました。
なぜなら、死者の葬り方の良否で、子孫への吉凶禍福が
影響すると考えるのが道教的思想だからです。
陰宅において、骨は陽、肉体は陰とされています。
最初に埋葬してから数年経てば、肉体は朽ち、白骨化します。
肉体が無くなった先祖は陽となり、吉地となる龍穴の地に
遺骨を埋葬する。
純粋な陽となった先祖、陰となる土地、この2つのエネルギーが
互いに応じ合い(感応)、その結果、我々子孫に影響を及ぼす。
道教的思想は全て、自然の理に則ったものです。
琉球王朝時代、中国から沖縄に伝えられた風水の中で、
沖縄の人々の死生観も、道教的思想から影響を受けて
いるものだと思います。
バラバラだった家族が、洗骨を通じて再生していく。
まるでご先祖様が見ていて下さったような、一族の繋がり。
非常に心に残るものがありました。
私の口癖は「お陰様で・・・」なのですが、
その「陰」というのは陰宅であり、すなわち、ご先祖様であり、
神仏であり、周囲で私を支えてくださっている皆様のお「陰」であり、
この「陰」なくして、自分は成り立たないものと深く感じております。
週明け3/18(月)より、春のお彼岸です。
お墓参りには先日行ったばかりですが、また時間を作って
感謝の気持ちを伝えに行きたいと思います。
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道教において、霊は香(氣)を食すと言われています。
お墓参りには上質な御香をお使いくださいませ。