書に生き続ける魂
2019年 02月 27日
春節の時期に合わせてきた(?)この特別展。
会期が大変短かったのですが、何とか滑り込めました。
今回の最大の見所は、台湾にある国立故宮博物館に
所蔵されている顔真卿の「祭姪文稿」。
世界に10点も満たないという、顔真卿の肉筆です。
故宮でも数年に一度展示されるかどうか(前回台湾故宮で
展示されたのは10年以上前)という作品が来日する希少性。
中華圏の方でも、見た事が無い人も多いという顔真卿の
祭姪文稿を一目見るために、多くの中国人の方が
この特別展にいらしていました。
私が生きているうちに見られるのは、これが最後のチャンス
なのかもしれないと思わせるほど、貴重な経験となりました。
昨年、風水の原稿・監修を担当させていただいた
WEBコンテンツの表題も、素敵な毛筆でデザインして頂きました。
毛筆は書体によってそれぞれに味があり、素敵ですね。
祭姪文稿は、安史の乱の際、国の為に非業の死を遂げた
顔一族を哀悼するために書かれたもので、最初は気丈に筆を
走らせていた顔真卿も、書き進めるうちに次第に感情が露になり、
腸が断ち切られるほどの思い、悲痛、義憤、感情の渦・・・
様々な情動が伝わってくる卒意の書。
書の最高峰と呼ばれる祭姪文稿を、この肉眼で見ることが出来、
魂が震える思いでした。
この特別展では、顔真卿以外の作品も国宝レベルのもの、
国指定の重要文化財が多く展示されており、大変内容の濃い
展示会となっていました。
展示内で唯一撮影が許されている「紀泰山銘」の拓本。
高さ約13メートル、圧巻でした!
空海の書も拝見しましたが、やはり空海は凄いと改めて感動。
自叙帖も、想像をはるかに超えて素晴らしかったです。
今回、顔真卿の肉筆を見られたというこの貴重な経験は
私の宝物となりましたし、他の書も、そのほとんどが主役級の
書ばかりで、本当によくぞここまで集めてくださったなと。
図録も買えて大満足☆
年を重ねるごとに、物欲よりも、経験に価値を感じます。
多分、この特別展の凄さを100万分の1も理解出来ていないと
思うのですが、分からないなりにも、いつの日かこの経験が
実りのあるものとして残ることを願い・・・。
これからも少しずつ、芸術、音楽、自然、健康など、
経験への価値を増やしたいです。
Rie
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