「沈黙」を持てる人に
2018年 06月 28日
6月の満月は少し赤味がかっていること、そして、
苺の収穫時期と重なることから、ネイティブアメリカンの方が
今宵の満月を「ストロベリームーン」と名付けたそうです。
さて、こちらは、若松英輔さんの詩集。
言葉の雫が、ぽとっ、ぽとっ、と、心に染み渡る。
そんな作品集です。
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「余白」
こころに
時を与えよ
何かのための
時間ではなく
無為の余白を
こころに
コトバを与えよ
文字になる
言葉ではなく
目には見えない
生ける意味を
こころに
祈りを与えよ
終わりなき
願望ではなく
彼方からの声を
受け容れるための
藍色をした沈黙を
こころに
慈しみを与えよ
今日一日を生きた
自己への
慰めとともに
引用元:詩集「幸福論」若松英輔 P.6~8
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ただの文章として、一度だけ読むのではなく。
一字一字を丁寧に紡ぎ取りながら、何度も繰り返し読むことで
何か心に感じるものがあるはずです。
今、自分は何者なんだと迷っている人。
今、忙しくて走り続けている人。
今、涙が止まらない人、
今、何かと戦っている人に、ぜひ読んで欲しいです。
世界各地で、美しい満月が見られるといいですね。
満月の夜に相応しい、詩集のご紹介でした。
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