風水を始め、占い系、開運系、スピリチュアル系など、
目に見えない物を対象に商売をしている人たちは、
より一層の注意を払って、広告が景品表示法(以下:景表法)に
違反しないか、ということにも注意しなければならないと思う。
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景品表示法とは
景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法
(昭和37年法律第134号)といいます。
消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。
ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、
過大な景品付き販売が行われると、それらにつられて消費者が
実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を
被るおそれがあります。
景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って
表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を
防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者の
みなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる
環境を守ります。(以上、HPより抜粋)
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以下のような表現も、法に抵触する可能性がある。
【優良誤認】
✖ 風水は必ず効きます。
✖ 100%開運します。
✖ 必ず○○の効果があります。
✖ ○○を置けば絶対に運が良くなります。
といったように、「絶対、確実、永久、万能、完璧、100%」と、
言い切る表現。
✖ 根拠を示すデータ無しに「世界で唯一の○○です」等と表示。
(例:世界で唯一効果のある美白化粧品です、など。)
✖ 根拠やデータのない効果、効能を信じ込ませる行為。
✖ 癌が治ります、病気が治ります。という根拠のない明記。
✖ 国産和牛使用とあるのに、本当は外国産の牛肉を使用。
などの、具体的な検証データ結果、科学的・医学的根拠がない表現や、
事実と異なるものを提供していた場合。
【有利誤認】
✖ 調査なしに、「地域最安値!」「業界ナンバーワン」と表示。
✖ 根拠のあるデータなしに、「世界最高峰」、「世界最高クラス」、
「日本一の○○」、「最も優れた○○」等と表示して契約、販売する行為。
これらのように、表示された内容が、あたかも他社・競合よりも優れている
かのような表記で、その誇張表現が消費者の誤解を招く恐れのあるもの。
具体的な裏付けがなく消費者を誤認させ契約、販売されているもの。
人体の健康に直接的に害を及ぼす、薬事法に抵触する恐れのある表現は
特に注意されたい。
また、広告表現の中で、競合会社(同業者)や、商品、
またはサービスを誹謗中傷することは違法である。
民法、及び刑法の名誉棄損、景表法の不当表示に抵触する。
商品(サービス)の内容について錯誤をさせて購入させること、
「不当な顧客誘引」にならないためにも、広告の際には商品の
魅力を上手く伝えるような工夫が必要だ。
風水や占術の世界では、効果があった、運が上がった、などという
体験談が言われたりもするが、よくよく考えてみれば、Aという人に
効果があったとしても、Bという人に効果があるとは限らない。
つまり、その「効果」と呼ばれるものには再現性がないとも言える。
理科の実験で、青色リトマス紙に、酸をかけたら赤色に変化する、
誰がやっても結果は同じになる、とは違う。
例えば、努力できる人、ポジティヴな人には風水が効いて、
努力しない人、ネガティヴな人には風水が効かない、という理論が
まかり通ったとすれば、そもそも「効果の裏付け」とは何であろうか。
何を根拠に、風水や占いが開運に効果がある、と言えるのか。
一つの環境学や、占いによる助言、カウンセリング的要素を通り越して、
運気を操るだの、開運しますだの、もうそれは目的が違う方に向いている
ように思えてならない。
効果や出来事はあくまで結果論であり、効く効かないは未知の世界だ。
予測が当たれば効果があった、予測が外れれば効果がなかった、という
だけの話で、風水や占いで予測した未来が確実に訪れると分かるのであれば、
誰もが人生思い通りである。
それを故意に知りながら、「この○○には効果がある、ない」と
顧客を勧誘、指導するのは、正直、良心が痛まないものかと感じる。
占いの結果は、時に背中を押してくれたり、人を励ましてくれたり、
人生の過ごし方の方針を見出してくれる「道しるべ」である。
それなのに、運という目には見えないものを都合よく利用して、
不確かな効果の有無を謳って商売をすることは、果たして許されるのか。
結局、風水や占いだけで、人生が良くなることも、悪くなることもない。
それならば、風水や占いという素晴らしい人間の知恵を、環境学、心理学、
自然哲学のように、一つの学問として、より実務的なことに使えないだろうか。
私としては、風水は開運を目的としたものではなく、自然と調和した、
快適な住まいづくりに応用されることを願っている。
Rie